事業支援研究所

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働き方改革で使える助成金一覧【助成金ハンドブック付き】

助成金
働き方改革関連法が完全施行されてから半年近く経ちましたが、対応はお済みでしょうか?
残業時間の上限規制については、対応済みという声が増えてきましたが、他の施策は「まだまだ」という状態が多いようです。

現在、働き方改革の担当者や企業経営者は「働き方改革を実施する過程で助成金はもらえないのか」という疑問をお持ちの様です。
答えは簡単で、「沢山あります」。

そこで、今回の記事では「働き方改革で使える助成金」について書いていきます。
また、この記事には、当委員会で作成した「雇用・労働関係の助成金ハンドブック」のダウンロードリンクが貼ってありますので、是非ご活用ください。

本記事の内容

  • 働き方改革で使える助成金の種類
  • 働き方改革に関する雇用関係助成金
  • 働き方改革に関する労働条件等関係助成金

この記事を書いている私は、経営コンサルを10年以上、働き方改革のコンサルも3年以上の実績があります。
また、行政書士でもあるため、労務関係を取扱う社会保険労務士とのコラボも数多く行っています。
法律に沿った内容だけに留まらず、企業の生産性を向上し、収益の増大を目指すコンサルを実施しています。

働き方改革で使える助成金の種類

雇用・労働に関する助成金は多数あり、働き方改革の実施過程で適用できるものも多く存在します。せっかく改革を行うのですから、助成金もしっかり申請して実のある改革にしていきましょう。
そのためには、まず助成金について知ることが必要です。この項でお伝えしたいのは下記の通りです。

  • 助成金の種類・対象・各種条件
  • 働き方改革で使える雇用関係助成金の種類
  • 働き方改革で使える労働条件等関係助成金の種類

助成金の種類・対象・各種条件

1)助成金の種類
雇用・労働に関する助成金は大きく2種類のものあります。雇用関係助成金と労働条件等関係助成金の2つです。

雇用関係助成金とは、雇用の安定、職場環境の改善、仕事と家庭の両立支援、従業員の能力向上などに活用する助成金で以下のものがあります。

  • 雇用維持関係の助成金
  • 再就職支援関係の助成金
  • 転職・再就職拡大支援関係の助成金
  • 雇入れ関係の助成金
  • 雇用環境整備等関係の助成金
  • 両立支援等関係の助成金
  • 人材開発関係の助成金

労働条件等関係助成金とは、職場環境の改善、生産性向上に向けた取組などに活用する助成金で、以下のものがあります。

  • 業務改善助成金
  • 時間外労働等改善助成金
  • 受動喫煙防止対策助成金
  • 産業保健関係助成金
  • 中小企業退職金共済制度に係る新規加入等掛金助成

2)受給対象となる事業主(事業主団体を含む)
受給の対象となる事業主(事業主団体を含む)は以下の通りです。

  • 雇用保険適用事業所の事業主
  • 期間内に申請を行う事業主
  • 支給のための審査に協力する事業主

審査への協力の具体例は次の通りです。

  • 審査に必要な書類を整備、保管する
  • 都道府県労働局、ハローワーク、高齢/障害/求職者雇用支援機構から書類の提出を求められたら応じる
  • 都道府県労働局、ハローワーク、高齢/障害/求職者雇用支援機構の実地調査に応じる

また、雇用関係助成金における「中小企業事業主」の範囲は、働き方改革における中小企業の定義と同様、下記の通りとなります。
※個人事業主や医療法人など出資金の概念がない場合は、労働者数のみで判断します。
※一部の助成金は条件が異なりますので、申請の際は注意が必要です。

 業種 資本金の額
または出資総額
常時使用する
労働者数
 小売業 5000万円以下 50人以下
 サービス業 5000万円以下 100人以下
 卸売業 1億円以下 100人以下
 その他
(製造業・建設業・運輸業、
その他上記以外の業種)
3億円以下 300人以下

3)支給申請期間
助成金の支給申請期間は、原則申請が可能となった日から2か月以内となります。

4)生産性要件
労働関係助成金は、助成金を申請する事業所が以下の方法で計算した「生産性要件」を満たしている場合に助成の割増等を行います。

条件として、助成金の支給申請を行う直近の会計年度における「生産性」が、その3年度前に比べて1%以上6%未満伸びている場合、または、6%以上伸びている場合のいずれかに該当することです。
※一部の助成金は条件が異なります。

「生産性」は次の計算式によって計算します。
生産性=付加価値÷雇用保険被保険者数
付加価値=営業利益+人件費+減価償却費+動産・不動産賃借料+租税公課
※直近の会計年度もその3年度前もプラスであることが必要
※「人件費」は、従業員の給与や退職金等であり、役員報酬等は含めない

尚、「生産性要件」の算定の対象となった期間中に、事業主都合による離職者を発生させていないことが必要です。

働き方改革で使える雇用関係助成金の種類

働き方改革で使える雇用関係助成金の種類は下記の通りです。

1)雇用環境整備等関係の助成金
労働者の雇用環境の整備を図るためのもので、その内働き方改革で使える助成金は下記の通りです。

  • 人材確保等支援助成金(雇用管理制度助成コース)
  • 人材確保等支援助成金(人事評価改善等助成コース)
  • 人材確保等支援助成金(設備改善等支援コース)
  • 人材確保等支援助成金(働き方改革支援コース)
  • キャリアアップ助成金(正社員化コース)
  • キャリアアップ助成金(賃金規定等改定コース)
  • キャリアアップ助成金(健康診断制度コース)
  • キャリアアップ助成金(賃金規定等共通化コース)
  • キャリアアップ助成金(諸手当制度共通化コース)
  • キャリアアップ助成金(選択的適用拡大導入時処遇改善コース)
  • キャリアアップ助成金(短時間労働者労働時間延長コース)

2)人材開発関係の助成金

労働者の職業能力の向上を図るためのもので、その内働き方改革で使える助成金は下記の通りです。

  • 人材開発支援助成金(特定訓練コース)
  • 人材開発支援助成金(一般訓練コース)
  • 人材開発支援助成金(教育訓練休暇付与コース)
  • 人材開発支援助成金(特別育成訓練コース)

働き方改革で使える労働条件等関係助成金の種類

働き方改革で使える労働条件等関係助成金の種類は下記の通りです。

1)業務改善助成金
生産性向上等を通じた最低賃金の引き上げを支援するためのもので、以下のものがあります。

  • 業務改善助成金

2)時間外労働等改善助成金
労働時間等の設定改善を支援するためのもので、その内働き方改革で使える助成金は下記の通りです。

  • 時間外労働等改善助成金(時間外労働上限設定コース)
  • 時間外労働等改善助成金(勤務間インターバル導入コース)
  • 時間外労働等改善助成金(職場意識改善コース)
  • 時間外労働等改善助成金(テレワークコース)

3)産業保健関係助成金
産業保健活動を支援するためのもので、その内働き方改革で使える助成金は下記の通りです。

  • 小規模事業場産業医活動助成金

働き方改革に関する雇用関係助成金

それでは、前項でお伝えした働き方改革で使える助成金について、一つずつ概要をお伝えしていきます。実施した内容がマッチするものがありましたら、詳細についての情報を収集し、申請の検討をしましょう。予算の関係で、年中随時募集しているものは多くないので、申請時期等も考慮しましょう。

また、未対応の施策がある場合は、助成金の条件に合うように実施する必要があります。せっかくのチャンスなので、しっかりと助成金を受領しながら働き方改革を実施していきましょう。

尚、詳細な条件、助成金額等は記事の最下部からダウンロードできるハンドブックを参照してください(ガイドブックで紹介している番号を併記してあります)。

  • 人材確保等支援助成金
  • キャリアアップ助成金
  • 人材開発支援助成金

人材確保等支援助成金

1)雇用管理制度助成コース(ガイドブック番号⑬-1)
雇用管理制度(評価・処遇制度、研修制度、健康づくり制度、メンター制度、短時間正社員制度)の導入を通じて従業員の離職率の低下に取り組む事業主に対して助成するものです。

2)人事評価改善等助成コース(ガイドブック番号⑬-5)生産性向上に資する能力評価を含む人事評価制度を整備し、定期昇給等のみによらない賃金制度を設けることを通じて生産性向上、賃金アップと離職率低下を図る場合に助成するものです。制度整備助成と目標達成助成があります。

3)設備改善等支援コース(ガイドブック番号⑬-6)
生産性向上に資する設備等を導入することにより、雇用管理改善(賃金アップ等)と生産性向上を図る事業主に対して助成するものです。
雇用管理改善計画期間は1年タイプと3年タイプのいずれかを選択する必要があります。

4)働き方改革支援コース(ガイドブック番号⑬-7)
働き方改革に取り組む上で、人材を確保することが必要な中小企業が、新たに労働者を雇い入れ、一定の雇用管理改善を図る場合に助成するものです。
働き方改革に取り組むとは、時間外労働等改善助成金(時間外労働上限設定コース、勤務間インターバル導入コース、職場意識改善コース)の支給を受けた中小企業のことです。
計画達成助成と目標達成助成があります。

キャリアアップ助成金

1)正社員化コース(ガイドブック番号⑯-1)
有期契約労働者等を正規雇用労働者等に転換または直接雇用した事業主に対して助成するものです。
尚、正規には「多様な正社員(勤務地・職務限定正社員、短時間正社員)」を含みます。
有期→正規、有期→無期、無期→正規の3種類があります。

2)賃金規定等改定コース(ガイドブック番号⑯-2)
有期契約労働者等の賃金規定等を2%以上増額改定し、昇給させた事業主に対して助成するものです。
全ての有期契約労働者等の賃金規定等を増額改定した場合と、一部の賃金規定等を増額改定した場合について、人数別に種類があります。

3)健康診断制度コース(ガイドブック番号⑯-3)
有期契約労働者等を対象とする法定外の健康診断制度を新たに規定・実施(延べ4人以上)した事業主に対して助成するものです。

4)賃金規定等共通化コース(ガイドブック番号⑯-4)
有期契約労働者等と正規雇用労働者との共通の賃金規定等を新たに規定・適用した事業主に対して助成するものです。

5)諸手当制度共通化コース(ガイドブック番号⑯-5)
有期契約労働者等と正規雇用労働者との共通の諸手当制度を新たに規定・適用した事業主に対して助成するものです。

6)選択的適用拡大導入時処遇改善コース(ガイドブック番号⑯-6)
労使合意に基づく社会保険の適用拡大の措置により、有期契約労働者等を新たに被保険者とし、当該有期契約労働者等の賃金引上げを実施した事業主に対して助成するものです。
賃金引上げ割合に応じて助成金額が異なります。

7)短時間労働者労働時間延長コース(ガイドブック番号⑯-7)
短時間労働者の週所定労働時間を延長すると同時に社会保険に加入させた事業主に対して助成するものです。

人材開発支援助成金

1)特定訓練コース(ガイドブック番号⑱-1)
OJTとOff-JTを組み合わせた訓練や若年者に対する訓練、労働生産性の向上に資するなど訓練効果が高い10時間以上の訓練について助成するものです。
賃金助成、訓練経費助成、OJT実施助成の3種類があります。

2)一般訓練コース(ガイドブック番号⑱-2)
職務に関連した知識・技能を習得させるための20時間以上の訓練に対して助成するものです。
賃金助成、訓練経費助成の2種類があります。

3)教育訓練休暇付与コース(ガイドブック番号⑱-3)
有給または無給の教育訓練休暇制度を導入し、労働者が当該休暇を取得して訓練を受けた場合に助成するものです。

4)特別育成訓練コース(ガイドブック番号⑱-4)
有期契約労働者等に対して職業訓練を行った事業主に対して助成するものです。
Off-JT訓練、OJT訓練の2種類があります。

働き方改革に関する労働条件等関係助成金

次に、働き方改革に関する労働条件等関係助成金をお伝えします。該当するのは、下記の助成金です。
こちらも、詳細な条件、助成金額等は記事の最下部からダウンロードできるハンドブックを参照してください(ガイドブックで紹介している番号を併記してあります)。

  • 業務改善助成金
  • 時間外労働等改善助成金
  • 小規模事業場産業医活動助成金

業務改善助成金(ガイドブック番号⑳)

事業場内で最も低い労働者の賃金(事業場内最低賃金)を引き上げ、生産性向上に資する設備投資等を行う中小企業事業主に対して助成するものです。

時間外労働等改善助成金

1)時間外労働上限設定コース(ガイドブック番号㉑-1)
時間外労働の上限設定を行うことを目的として、外部専門家によるコンサルティング、労務管理用機器等の導入等を実施し、改善の成果を上げた事業主に対して、その経費の一部を助成するものです。

2)勤務間インターバル導入コース(ガイドブック番号㉑-2)
勤務間インターバル制度を導入することを目的として、外部専門家によるコンサルティング、労務管理用機器等の導入等を実施し、改善の成果を上げた事業主に対して、その経費の一部を助成するものです。

3)職場意識改善コース(ガイドブック番号㉑-3)
所定外労働時間の削減、年次有給休暇取得促進に取り組むこと等を目的として、外部専門家によるコンサルティング、労務管理用機器等の導入等を実施し、改善の成果を上げた事業主に対して、その経費の一部を助成するものです。

4)テレワークコース(ガイドブック番号㉑-5)
在宅またはサテライトオフィスにおいて就業するテレワークに取り組む中小企業事業主に対してその経費の一部を助成するものです。

小規模事業場産業医活動助成金(ガイドブック番号㉖)

小規模事業場が産業医等と契約して産業医活動を実施した事業主に対して助成するものです。
産業医コース、保健師コース、直接健康相談環境整備コースの3種類があります。

概要については、ほぼ理解できたと思います。実際の助成金の申請については、助成金申請に実績のある社会保険労務士に依頼するのが一番です。付随する業務なども依頼しやすいからです。くれぐれも法的資格のない民間会社に依頼しないようにしましょう。尚、当委員会では申請依頼は承りませんが、提携している社会保険労務士は複数おりますので、紹介が必要な場合はご連絡ください(紹介について費用はかかりません)。

しかし、依頼の前に、まずは自社でしっかりと助成金の申請についてよく検討することが重要です。何よりも、助成金ありきではなく、働き方改革をしっかりと実行することで、自ずと助成金につながっていくはずです。

働き方改革で使える助成金の紹介は以上となりますが、これはあくまでも助成金の概要です。助成金は法律に基づいていますが、毎年改正があったり、予算編成の影響で募集がなかったり、申請の条件に変化があったりします。助成金について、不明な点がありましたら、必ず社会保険労務士や厚生労働省、各地の労働局、ハローワーク等の公的機関に問い合わせてください。書かれている記事が古かったり、内容が必ずしも正しくない場合もありますので、くれぐれもネットなどの情報に頼らないようにしましょう(発行が古い書籍も同様の危険性があります)。

繰り返しになりますが、まだまだ時間はありますので、働き方改革の施策を一つずつ確実に実行していきましょう。
その際には、しっかりと助成金の申請も併せて行いましょう。
助成金の全体像を知るためにも当委員会が作成した「雇用・労働関係の助成金ハンドブック」を是非活用してください。
コチラからダウンロードできます(PC推奨)。

このブログでは働き方改革や雇用対策に関するさまざまな記事を掲載していますので、そちらも是非読んでみてください。もし、ご質問等がありましたら、お気軽にご連絡ください。